初心者がやりがちな5つのミスとその回避法

初心者がやりがちな5つのミスとその回避法

競馬初心者の多くは「当てたい」「楽しみたい」という気持ちが先行し、回収率を落とす行動や思考のクセに陥りやすいです

ここでは、初心者がよくやりがちな5つの典型的ミスと、それを避ける具体的な方法を体系的に解説します。

初心者がやりがちな5つのミス

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“なんとなく”で馬券を買う

競馬初心者に最も多い、そして最も危険な買い方が、「なんとなく当たりそうだから」「よく見かける名前だから」と感覚だけで馬券を買ってしまうことです。

このスタイルは“当たることもある”が、“勝ち続けることは絶対にできない”典型です。

ここでは、「なんとなく買う」ことがなぜ危険なのか、どこで差がつくのか、どうすれば回避できるのかを徹底的に解説します。

【1】「なんとなく買う」とはどういうことか?

よくある例:
  • 馬名や騎手名で直感的に決める(例:「キラキラした名前で強そう」)
  • パドックをチラッと見て「良さそう」と感じて買う
  • 「この前買って当たったから」「調教師が有名だから」といった曖昧な根拠
  • 他人の買い目を見て便乗する
特徴:
  • 明確な根拠や基準がない
  • 馬の能力、展開、適性などの競馬の本質を無視

【2】なぜ「なんとなく買う」と勝てないのか?

● 理由①:再現性がゼロ

  • たとえ当たっても、なぜ当たったかがわからないため、次に活かせない
  • ハズレたときも、反省点が見えず「運が悪かった」で終わる

● 理由②:期待値の概念がない

  • オッズと勝率のバランスを無視
  • 「人気だから当たる」「穴だから面白そう」など、感情的判断が多い

● 理由③:買い方がブレやすい

  • 予想が曖昧なので、軸もヒモもその場の気分で変わってしまう
  • 的中してもガミ、外れたら後悔、という悪循環に

【3】“なんとなく買う”の落とし穴:数字で見る失敗パターン

ケース 的中率 平均オッズ 購入点数 回収率(目安)
勘だけで広く買う 30〜40% 2.0〜3.0倍 10点 約60〜80%(赤字)
なんとなく穴馬狙い 10%未満 10倍超 無計画 運任せ・回収率不安定

→ 的中しても利益が出ないか、運に頼るギャンブルになる

【4】回避法①:「買う理由」を3つ挙げるクセをつける

例:「◎ 5番ホウオウ○○ を買う理由」

要素 内容
能力 前走0.2秒差の3着/相手強化なし
展開 逃げ先行馬少なく、スムーズに運べそう
騎手 今回ルメールに乗り替わり=勝負気配

→ こうした具体的な根拠がある馬だけを買うようにする
→ 逆に、1つも明確な理由が出てこない馬は「買わない」

【5】回避法②:3つの“なんとなくサイン”に気づく

思考 要注意ポイント 対処
名前が気になったから 感情的な判断 実力・実績を確認
なんとなくよさそう 印象だけで決定 脚質・ローテ・相手関係を見直す
よく当たる人が買ってたから 乗っかり買い 自分の基準を持つ

【6】実践Tips:「感覚」→「情報」に変換するトレーニング

ステップ1:

「なんとなく良さそう」と思ったら、なぜそう思ったのかを言語化する

×「この馬、パドックで良さそう」
→ ○「パドックで落ち着いて周回し、馬体も引き締まっているから良さそう」

ステップ2:

その根拠がレース結果に直結する要素か?を自分に問う

【7】まとめ:「なんとなく」は勝てない思考の代表格

比較 なんとなく買う人 勝てる人
判断基準 感覚/印象 データ/根拠/展開予測
馬券構成 気分で組む 期待値・妙味で選ぶ
的中後の行動 反省なし/偶然 要因分析して再現する
負けたとき 運が悪かった 根拠の検証/改善につなげる

“なんとなく”で馬券を買う

人気馬ばかり買ってしまう

競馬を始めたばかりの人がつい陥るのが、「人気の馬を買えば当たるはず」と思い、上位人気馬ばかりを買ってしまうことです。

一見“正解”のように思えるこの買い方は、的中率は上がるものの、回収率が伸びずにジリ貧になる最大の要因になります。

以下では、「なぜ人気馬ばかり買うと負けやすいのか」「どこが問題なのか」「どうすれば脱却できるのか」を、具体的に解説します。

【1】なぜ初心者は人気馬ばかりを買ってしまうのか?

● 主な理由

心理 内容
安心感がある 多くの人が買っている → 外しても“納得できる”
的中させたい とにかく当てたい → 的中率の高い馬に集中しがち
強そうに見える 馬柱の成績が良く、騎手も有名だと「勝ちそう」に見える
情報が多い TVやネット記事でも人気馬が多く取り上げられる

「当たりそう」ではなく「本当に儲かるか」で判断できていない

【2】人気馬ばかり買うと負けやすい理由

理由①:オッズが低すぎてリターンが見合わない

  • 単勝1.8倍や2.2倍の馬を買っても、1回の外れでそれまでの利益がすべて吹き飛ぶ
  • 馬連・3連複も人気馬同士では配当が安すぎて的中しても赤字(トリガミ)になることが多い

理由②:人気=信頼できるとは限らない

  • オッズは馬券を買う人たちの“人気投票”で決まる
    → 情報に流された買いが集まりやすい
  • 「展開が合わない」「状態が落ちている」など中身が不安定でも人気になるケースあり

理由③:期待値が低い馬を買っていることになる

  • 期待値=「勝つ確率 × オッズ」
  • 単勝1.8倍で的中率60%あっても、回収率=1.08 → ギリギリ
    → 的中率が下がった瞬間に回収率が急落

【3】よくある「人気馬信仰」の買い方例と失敗パターン

馬券タイプ 内容 結果
単勝1~2番人気 確実に当てたい → 2倍台狙い 的中しても収支が伸びない/1回の外れで赤字
馬連1-2番人気固定 本命同士で組み合わせる 配当安すぎてトリガミ続出
3連複1~3番人気BOX 有力馬の組み合わせ 的中率はそこそこでも、利益が出ない or マイナス

【4】回避法①:「人気馬を買う=損する構造」に気づく

● 単勝オッズ別の平均回収率(JRA公表データ傾向)

オッズ 平均回収率
1.0~1.9倍 約75〜80%(赤字)
2.0~2.9倍 約85%(赤字)
3.0~4.9倍 約90%前後(ギリギリ)
5.0倍以上 100%を超えるゾーンが増える(中穴)

→ 多くの人が買っている=既に価値が下がっている(妙味がない)

【5】回避法②:「期待値思考」に切り替える

● 買う前にこう考える:

「この馬が勝つ確率はどれくらいか? → その確率に対してこのオッズはお得か?」

例:
  • 体感で「この馬は30%くらい勝ちそう」
    → 単勝オッズが2.5倍なら × → 割に合わない
    → 4.0倍なら ◎ → 買う価値あり

「当たる」ではなく「得するか?」で判断する習慣をつける

【6】回避法③:人気馬の“信頼性チェックリスト”を使う

人気馬でも「買っていい場合」と「スルーすべき場合」がある。
以下のようなチェックをしてから買うかどうかを判断:

チェック項目 YESなら信頼可/NOなら危険
展開がハマりそうか? YES
状態が良い/上昇気配か? YES
騎手・厩舎が本気の姿勢か? YES
相手関係が楽になっているか? YES
過去に似た条件で凡走していないか? NOなら要注意

【7】まとめ:人気馬=“当たりやすい”が“儲かりにくい”

比較 人気馬ばかり買う人 回収を重視する人
判断基準 当たりそうかどうか 妙味があるかどうか
買い方 低配当/広め 絞って中穴/期待値重視
的中後の結果 的中しても微増 or トリガミ 的中すればプラス確定型
投資効率 長期的に損失増 長期的に利益可能

人気馬ばかり買ってしまう

点数を広げすぎる

「当てたいから、とりあえず保険をかけて多く買っておく」。この行動が、競馬初心者が最も無自覚に損失を出す典型例です。

点数を増やせば当たりやすくなりますが、回収率は確実に下がります

ここでは、点数を広げすぎることの危険性と、その回避方法を具体的に解説します。

【1】なぜ点数を広げすぎてしまうのか?

心理的要因 内容
外したくない 的中率を上げることが目的化している
人気馬も穴馬も全部押さえたい 欲張りすぎて絞りきれない
的中=正解という誤解 的中すれば勝ちだと錯覚している
流し・フォーメーションの使いすぎ 馬連・3連複での「とりあえず買い」が癖になっている

【2】点数を広げるとこうなる:数字で見る“無意識の損失”

● 馬連10点買いの例

条件 金額
購入:1点100円 × 10点 = 1,000円  
的中:配当1,200円 → プラス200円  
でも、外れたら1,000円損失  

→ 的中率は高くなるが、利益効率が極めて悪くなる

● 3連複フォーメーション20点の例

配当 的中率 購入額 回収率
2,800円 5% 2,000円 70%(赤字)

→ 「当たるまでにいくら使ったか?」を見ないと実は負けている

【3】点数が多すぎると何が問題か?

● 問題①:回収率が下がる

  • 的中しても1点あたりのリターンが薄くなる
  • トリガミ(当たって赤字)が多発する

● 問題②:投資効率が悪い

  • 1レースに2,000円以上かけても、当たれば2,500円…→利益200円?割に合わない

● 問題③:絞る力が養われない

  • 「当たりゃいいや」で予想の精度が磨かれない
  • 上達しないまま“数打ちゃ当たる”思考に陥る

【4】回避法①:「買う前に回収率を逆算」する

例:10点買いで回収するには

  • 100円 × 10点 = 1,000円
  • 回収するには 配当が1,000円以上必要 → 馬連なら 10倍以上 が最低ライン
配当6.2倍の馬連が当たっても負けてることに気づける

【5】回避法②:「買う点数に上限ルールを設ける」

券種 推奨点数上限
単勝・複勝 1〜2点まで
馬連・ワイド 3〜5点まで
3連複 6点以内(◎-○-▲△)フォーメーション型

→ それ以上買いたくなったら、「なぜその点数が必要なのか?」を自問するクセをつける

【6】回避法③:「軸から逆算」して“必要な組み合わせだけ”買う

ステップ:

  1. ◎軸馬を1頭決める(勝ち切る根拠あり)
  2. 相手を3〜4頭に厳選する(展開・適性などで裏付け)
  3. 馬連・ワイド → 軸から3〜4点に絞る
    3連複 → ◎-○-▲△で6点に留める

自信ある軸+信頼できる相手だけで十分

【7】まとめ:「点数が多い=強い」ではなく、「精度が高い=強い」

比較 点数が多い人 絞って買う人
的中率 高い そこそこでもOK
回収率 低くなりやすい 高く保てる
予想精度 伸びにくい 自信がある買い目に集中
投資効率 資金が分散 集中投資で利益が出やすい

【おまけ】チェックリスト:「点数を広げすぎていないか?」

  • □ 軸馬に明確な理由があるか?
  • □ 相手を増やしているのは「不安」からではないか?
  • □ 配当を見て、的中してもプラスになるか計算しているか?
  • □ その点数でなければ「絶対当たらない」と言える根拠はあるか?

→ 1つでも「NO」なら、点数を見直すチャンスです

点数を広げすぎる

全レースを買ってしまう

競馬初心者がよくやってしまうのが、朝の1Rから最終12Rまで、全レースを買い続ける行動です。

「せっかくの競馬開催日だから」「空いた時間があるから」と気軽に買い続けると、気づかぬうちに資金も集中力も回収率も消耗してしまう構造に陥ります。

ここでは、全レースを買ってしまうことのリスクと、回避するための具体的な戦略を詳しく解説します。

【1】なぜ全レースを買ってしまうのか?

心理的背景 内容
せっかくの開催日だから 「1日楽しみたい」「買わなきゃ損」という感情に流される
ハズれたレースの“取り返し” 外れるとその次で取り戻したくなる心理
スマホの即PATが便利すぎる 気軽に買える分、歯止めがきかなくなる
当たったら気が大きくなる 「次もいけるかも」という過信から連続購入

予想精度や期待値ではなく、気分で買ってしまっている

【2】全レース買うことで起こる3つの損失

① 資金が分散する(本命レースに厚く張れない)

  • 全レースに1,000円ずつ → 合計12,000円
    → どのレースでも回収できる可能性は低く、利益が残りにくい

② 集中力が続かない(予想の精度が落ちる)

  • レースごとの精査が甘くなる
    → 結果、「なんとなく」「前走良かったから」で買う雑な馬券に

③ 無駄な敗戦を積み上げる(期待値の低いレースも買ってしまう)

  • 新馬・未勝利戦、展開読みにくいレースなどでも買ってしまう
    → 回収率が大きく落ちる元凶

【3】数字で見る:全レース買いの危険性シミュレーション

● 12レースすべて1,000円ずつ買った場合(1日12,000円)

的中数 回収額(仮) 回収率
3R的中/配当2,500円平均 7,500円 62.5%(赤字)
4R的中/配当2,000円平均 8,000円 66.6%(赤字)

→ 的中率がそこそこあっても、回収が追いつかない構造

【4】回避法①:「買うレースを前日までに絞っておく」

● 実践手順

  1. 前日~当日朝に出馬表をざっとチェック
  2. 自信がある条件・得意な距離・妙味があるレースだけを3つ程度ピックアップ
  3. それ以外のレースは「見(ケン)」と明記しておく
メモ例:
レース 判断 理由
東京9R 勝負 ◎好調+展開◎+騎手強化
阪神10R 保留 馬場次第で参戦/パドック判断
中山12R 見送り 情報少なく不明要素多い

【5】回避法②:「予算配分型ルール」を導入する

● 例:

  • 1日の予算を10,000円と決める
  • 勝負レース:3,000円
  • 妙味レース:2,000円
  • 遊び買い:1,000円 × 2レースまで
  • その他:買わない

→ 自動的に「買わないレース」が生まれる=防御力アップ

【6】回避法③:「勝ち逃げ/連敗撤退」ルールを設定する

ルール例 内容
1日の目標利益を超えたら終了 例:+5,000円で即撤収(余計な負けを防ぐ)
3連敗したら当日終了 精神の乱れや焦り買いを防ぐ

→ 「勝って終わる」「冷静に撤退できる」ことが回収率向上に直結

【7】まとめ:全レース買う人は「参加者」、レースを選ぶ人が「勝者」

比較 全レース買い レース選別型
資金配分 分散しやすい 集中投資が可能
精度 下がる(予想が雑になる) 高い(分析が丁寧)
回収率 下がりやすい 上がりやすい
メンタル 流されやすい 冷静さを保てる
期待値 高いレースも低いレースも一緒に買う 高期待値レースだけを狙う

全レースを買ってしまう

的中=勝ちだと勘違いする

競馬初心者にありがちな大きな誤解が、「当たった=勝った」と思い込むことです。

しかし実際には、的中しても“損している”ことはよくあります。これは、的中率と回収率の違いを理解していないことが原因です。

この項目では、「なぜ的中しても勝ちではないのか」「回収率がなぜ重要なのか」「どのようにこの勘違いを正せばよいか」を具体的に解説します。

【1】的中=勝ちではない理由

● 的中とは「当たっただけ」

  • 馬券が的中すること(=当選)であって、利益が出たかどうかは別問題

● 勝ちとは「回収率が100%を超えていること」

  • 勝っている=「購入金額<払い戻し金額」
    利益が出て初めて“勝った”といえる

【2】数字で見る:的中しても負けているケース

例1:単勝オッズ1.8倍、1点1,000円購入で的中

  • 的中 → 払戻1,800円
  • 収支 → +800円

→ 一見勝っているが、次で外したらもう赤字

例2:馬連5点 × 100円ずつ購入(合計500円)

  • 的中 → 配当520円
  • 収支 → +20円
  • 次で1回外す → マイナス480円
    トータルでは赤字

【3】的中を“目的”にしてしまうと陥る悪循環

悪循環の流れ
とにかく当てたい
保険で点数を増やす
的中しても配当が低く、ガミ(損)になる
的中は増えるのにお金は減る
焦って点数を増やし、さらに回収率が落ちる

→ 「当たるほど負ける」という最悪のパターンに

【4】「回収率」を重視するという発想

● 回収率とは?

回収率 =(払い戻し金 ÷ 購入金) × 100

回収率 状態
100%以上 利益が出ている(勝ち)
100% トントン
100%未満 損している(負け)

→ 的中しているかではなく、「最終的にプラスかどうか」が勝負の本質

【5】回避法①:「的中数」ではなく「回収率の記録」を取る

項目 内容(例)
日付 2025/03/29
購入R数 5レース
的中数 2レース
払い戻し合計 6,200円
購入合計 7,500円
回収率 82.6%(=負け)

→ こうして記録をつけると、「当たっても勝っていない」事実が見えてくる

【6】回避法②:的中=成功、外れ=失敗という思考をやめる

✔ こう置き換える:

状態 従来の見方 正しい見方
的中 勝った・成功 回収できていれば勝ち、ガミなら失敗
外れ 負け・失敗 妙味があったならOK、次に活かせる
的中×トリガミ 満足 実は失敗と認識すべき

的中よりも「狙いが正しかったか(=期待値があったか)」が重要

【7】まとめ:「当てた」ではなく「勝ったか?」を常に意識する

比較 的中重視の人 回収重視の人(勝てる人)
判断基準 当たったかどうか 回収率・期待値
精神面 当たれば満足/外れたら焦る 長期収支を重視してブレない
買い方 広げて当てにいく 絞って狙い撃ちする
成長性 上達しにくい 再現性ある予想が身につく

的中=勝ちだと勘違いする

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