上がり3F指数は、競馬において馬がレースの最後の600メートル(約3ハロン)で記録したタイムを基に算出される指標です。
「上がり」とはレース終盤の加速力を示し、特に差し馬や追い込み馬の脚質評価で重要視されます。
上がり3Fが速い馬 = 末脚が強い馬
目次
上がり3F指数の算出方法(概略)
基本的な算出方法は次の通りです。
上がり3F指数 = (基準上がりタイム – 実際の上がりタイム) × 補正値
各要素の説明:
- 基準上がりタイム:
競馬場・距離・クラスごとの標準的な上がりタイム。 - 実際の上がりタイム:
該当馬のレース終盤600mでの実測タイム。 - 補正値:
馬場状態、ペース、競馬場特性を考慮して算出。
高い指数ほど、最後の脚が鋭かったことを示す。
上がり3F指数の目安
指数の範囲 | 評価基準 | 実力目安 |
---|---|---|
90以上 | 非常に優秀 | 重賞級の末脚 |
80~89 | 優秀 | オープン~準オープンクラス |
70~79 | 平均的 | 条件戦レベル |
60~69 | やや劣る | 低クラスでの上がり平均 |
60未満 | 弱い | 差し届かないタイプ |
上がり3F指数で分かること
1. 差し・追い込み馬の評価
- 上がり指数が高い馬は、直線で伸びる末脚を持つ。
- 差し・追い込みタイプで安定して高指数の馬は信頼性が高い。
2. 展開不利馬の評価補正
- 前走で展開に恵まれず負けた馬でも、上がり3F指数が高ければ実力あり。
- 凡走後の高上がり指数馬は、次走で人気薄でも狙い目。
3. 馬場・距離適性の判断
- 柔らかい馬場や距離延長で指数が落ちる場合、適性の有無がわかる。
実例での活用方法
馬名 | 上がり3Fタイム | 上がり3F指数 | 評価 |
---|---|---|---|
馬A | 34.0秒 | 90 | 強烈な末脚、要注目 |
馬B | 35.2秒 | 85 | 安定した差し脚あり |
馬C | 36.0秒 | 70 | 平均的、条件次第 |
馬Aのように指数90以上は、次走でも末脚勝負で有利。
上がり3F指数の活用法
1. 脚質別の活用法
差し・追い込み馬の場合
- 高い上がり3F指数 = 強力な末脚を持っている証拠
- 着順が悪くても、上がり3F指数が高い馬は次走で好走することが多い
活用例:
- 馬A:前走6着だが上がり3F指数「90」 → 展開が向けば次走で巻き返し可能
- 馬B:前走2着でも上がり3F指数「75」 → 末脚不足で過信は禁物
逃げ・先行馬の場合
- 逃げ・先行馬は上がりが遅くなりがちなので、上がり指数が低くても気にしすぎない
- 先行馬で上がり指数が高ければ「粘り強さ」を示し、有力な勝ちパターン
活用例:
- 馬C(先行馬):上がり3F指数「85」 → 先行しても末脚がある強力な馬
2. レース展開との組み合わせ
上がり3F指数はレース展開の影響を大きく受けます。
展開別活用法
- ハイペース:
後方待機馬の上がり指数が高くなる傾向- 差し・追い込み馬が有利
- 高指数の追い込み馬を優先
- スローペース:
前残りになりやすく、後方馬の上がり指数は無視してOK- 先行馬で上がり指数が平均以上なら信頼度UP
実例:
馬名 | 脚質 | 前走上がり指数 | 展開 | 評価 |
---|---|---|---|---|
馬A | 追込 | 92 | ハイペース | 大注目 |
馬B | 先行 | 85 | スローペース | 信頼できる |
3. 馬場状態との併用
馬場状態が悪いと上がり指数が低くなりがちです。
馬場別評価ポイント
- 良馬場:
高指数馬をそのまま評価 - 稍重・重・不良馬場:
- 馬場適性がない馬は上がり指数が急落
- 悪馬場でも高上がり指数の馬は、次走良馬場でパフォーマンス向上
活用例:
- 馬C(重馬場で指数85) → 良馬場で指数90超えの可能性あり
- 馬D(良馬場で指数95 → 重馬場で60) → 馬場適性が限定的
4. 距離適性の見極め
距離が変わると上がり指数の傾向も変わります。
距離別活用法
- 短距離(~1400m):
スピード勝負で上がり指数の重要性はやや低め - 中距離(1600~2000m):
上がり指数が勝敗を大きく左右 - 長距離(2200m~):
スタミナが重要だが、終盤の末脚も無視できない
実例:
馬名 | 1600m上がり指数 | 2000m上がり指数 | 距離適性評価 |
---|---|---|---|
馬E | 90 | 85 | 中距離向き |
馬F | 75 | 88 | 長距離で真価 |
5. 人気とのギャップで穴馬発見
人気馬が低上がり指数、人気薄が高上がり指数の場合はチャンス。
穴馬発見の具体例:
- 馬G(人気8番目):前走着順7着、上がり指数「91」 → 穴馬候補!
- 馬H(人気2番目):前走上がり指数「75」 → 人気過剰かも
6. 上がり指数推移で馬の調子を見抜く
過去3走の上がり指数を比較して調子を確認
馬名 | 3走前 | 2走前 | 前走 | 推移評価 |
---|---|---|---|---|
馬I | 78 | 85 | 90 | 調子上昇、買い! |
馬J | 88 | 80 | 75 | 調子下降、警戒 |
7.上がり3F指数を使った穴馬発見方法
- 前走着順が悪くても上がり指数が高い馬をチェック。
- 展開が向けば次走で激走の可能性あり。
馬名 | 前走着順 | 前走上がり指数 | 次走の狙い目 |
---|---|---|---|
馬D | 7着 | 88 | 展開次第で激走可 |
馬E | 3着 | 75 | 安定型だが爆発力なし |
注意点と併用ポイント
- 逃げ・先行馬:
前に行く馬は上がりタイムが遅くなることが多いので、指数が低くても悲観しすぎない。 - ペース補正:
極端なスローペースでは指数が高く出やすいので要注意。 - 他の指数と併用:
タイム指数や展開指数と組み合わせると予想精度UP。
8. 実際の馬券購入への応用
◎ 買い時のポイント:
- 高上がり指数+展開有利予想 → 単勝・馬連で本命
- 高上がり指数+前走不利 → 次走の複勝・ワイドで狙う
- 穴馬+高上がり指数 → 馬連・三連複で高配当期待
まとめ
- 上がり3F指数は末脚の鋭さを示す指標で、差し・追い込み馬評価に最適。
- 展開、馬場状態、距離適性と組み合わせると予想精度が大幅UP。
- 人気と指数にギャップがあれば、穴馬発見のチャンス!
- 過去の指数推移で馬の調子もチェック可能。
競馬予想で迷ったら、まずは上がり3F指数を確認し、展開や馬場と組み合わせて判断してみましょう!