アイルランドT

牝馬限定の重賞競走で、特にエリザベス女王杯（G1）の前哨戦として位置づけられ、毎年10月に東京競馬場で行われています。

アイルランドトロフィーの前身となる競走は、1953年に創設されました。当初は「府中牝馬特別」という名称で行われており、1963年に重賞競走「府中牝馬ステークス」に格上げされました。

2003年、アイルランド大使館がこのレースの冠協賛を行うようになり、名称が変更されアイルランドとの友好関係を象徴する国際的な文化交流の一環として位置付けられるようになりました。

アイルランドT
GⅡ
東京競馬場　芝　１８００ｍ
３歳以上牝
別定重量
波乱度	１人気信頼度
★★	★★★★

傾向・予想ポイント

1. 人気馬の成績

このレースは、上位人気馬が安定して好成績を収める傾向があります。牝馬限定のレースであり、出走馬の能力差が比較的明確なため、実績馬が順当に結果を残すケースが多いです。

• 1番人気の成績（過去10年）

  • 勝率：約30%
  • 連対率：約60%
  • 複勝率：約70%

  1番人気馬の信頼度は高めで、特に重賞実績のある馬や、春のG1戦線で活躍していた馬がここで再び力を発揮する傾向があります。

• 2～3番人気の成績
  2～3番人気馬も安定して好走しており、上位人気馬同士で決着することが多いです。

• 穴馬の台頭は少ない
  6番人気以下の馬が勝利することは稀で、波乱の要素は比較的低めです。ただし、3着には中穴馬（4～6番人気）が絡むことがあるため、ヒモ荒れには注意が必要です。

ポイント: 上位人気馬を中心に予想を組み立てるのが基本戦略です。

2. 脚質の傾向

東京競馬場芝1800mは、直線が525mと長いため、差し・追い込み馬が有利なコースとされていますが、このレースでは先行馬も粘り込むケースが多いです。

• 先行馬の好走率が高い
  レースペースが緩むことが多く、先行馬が有利な展開になることがあります。特にスローペースの場合は、前でレースを進めた馬がそのまま押し切ることも。

• 差し・追い込み馬も有力
  長い直線を活かして末脚を繰り出す差し馬や追い込み馬も好走しています。ただし、差し馬はペース次第では届かないケースもあるため、展開を読むことが重要です。

• 逃げ馬は不利
  逃げ馬がそのまま押し切るケースは少なく、最後の直線で差されることが多いです。

ポイント: 先行馬を中心にしつつ、決め手のある差し馬も押さえるバランスが重要です。

3. 枠順の傾向

東京芝1800mは、コースの形状上、枠順による有利不利がそれほど大きくないコースです。ただし、内枠が若干有利というデータがあります。

• 内枠（1～4枠）が有利
  内枠の馬は、スタートからスムーズにポジションを取れるため、先行馬にとって特に有利です。

• 外枠（7～8枠）はやや不利
  外枠の馬は距離ロスが発生しやすく、先行馬にとっては不利です。ただし、差し馬であれば問題なく好走するケースもあります。

ポイント: 先行馬なら内枠を重視し、差し馬なら外枠でも問題なし。

4. 前走成績の重要性

アイルランドトロフィー府中牝馬ステークスでは、前走で好成績を残している馬が好走する傾向があります。特に以下のレースから参戦してくる馬に注目です。

• ヴィクトリアマイル（G1）
  春の牝馬マイル王決定戦で好走した馬が、秋初戦としてこのレースに出走することが多いです。G1実績のある馬は信頼度が高いです。

• クイーンステークス（G3）
  夏の牝馬重賞で好走した馬が、その勢いを持続してここでも好成績を残すケースが目立ちます。

• 条件戦勝ち馬や格上挑戦馬
  条件戦で勝ち上がってきた勢いのある馬が馬券に絡むこともありますが、勝利するケースは少ないです。

ポイント: 前走が重賞で掲示板に入っている馬や、好タイムで勝利している馬に注目。

5. 配当傾向

アイルランドトロフィー府中牝馬ステークスは、上位人気馬が好走しやすいため、配当は堅めの傾向があります。

• 単勝配当
  1～3番人気の馬が勝つことが多く、単勝オッズは低めです。

• 三連複・三連単
  人気馬同士で決着することが多いため、三連複・三連単の配当も中配当が中心。ただし、3着に中穴馬が絡むことで、配当が上がるケースもあります。

6. レースペースの傾向

このレースは、スローペースになりやすい傾向があります。

• スローからの瞬発力勝負
  前半のペースが落ち着くことが多く、最後の直線での瞬発力勝負になるケースがほとんどです。

• 先行馬が有利になる展開も
  ペースが緩む場合は、前にいる馬がそのまま粘り込むことがあるため、先行馬を重視するのが有効です。